B系とは、ヒップホップ文化の中から生まれたファッションの一分野である。ヒップホップとは、「ラップ」「DJプレイ」「ブレイクダンス」「グラフィティアート」を四大要素とするアメリカの、主に黒人によって築かれた文化である。そうした音楽やダンスとともに日本に伝わった。
Bガール系(B系)ファッション
男性B系ファッションの特徴
オーバーサイズの洋服に大振りなゴールドやシルバーのアクセサリー、ツバが広いベースボールキャップ、キャップのツバは折らない、ハイカットのスニーカー、腰履きのパンツなどが特徴として挙げられる。
宝石や金で露骨にキラキラさせる“露骨な財力誇示”は、貧困に苦しんでいた頃のコンプレックスそのもので、これは黒人に限らず貧乏から這い上がった人にみられる傾向である。
不潔にならないように適度にルーズさを出すことができるかどうかがポイントになる。
ちなみにパンツを腰で履くこと、いわゆる腰パンを英語では「Sagging pants」と言う。
冬のB系ファッションコーディネートは?
冬の典型的なB系ファッションといえば、オーバーサイズのデニムにスエット地のパーカー、それにスタジャンを重ね着する、またはダウンジャケットを羽織るというスタイル。足元はスニーカーではなく、ショートブーツを合わせることもある。
男性B系の変化
ストリート系をよりルーズに、ワイルドにした感じというのが男性B系の主流だったが、最近では腰履きは必須ながら普通サイズやタイトなシルエットも流行りとして見られる。これは、ファッションアイコンとなるヒップホップアーティストの影響力が大きい。
女性B系ファッションの特徴
レディースの場合は、男性がよくするようなダボっとした服装の他、タイトな服をセクシーに着こなすという方法も含まれる。むしろ女性のB系では、ギャル的要素の強いボディコンシャス系のファッションに身を包むことが多く、ボディラインをはっきり見せるセクシーなタイプを選ぶことが多いようである。
起源
黒人差別が今よりも激しかった頃、アメリカの貧困地域に暮らす黒人の子供たちは、成長しても長く服が着られるように大きめサイズの衣類を着せられていた。それが現在のB系ファッションや腰パンに繋がった。
もう一つ、囚人服から生まれたとされる説もある。アメリカの刑務所では自殺防止のためにベルトが禁止されており、パンツが腰履きになってしまうという。不良の世界ではしばしば「刑務所帰り=泊がつく」と捉えることがあり、その囚人服のスタイルを出所後もすることで周囲に己の凶悪さを誇示していたことがB系に繋がったとされる説である。
名称の由来
B系という名称の由来には、様々な主張がある。ストリートダンスのスタイル「Breakin' (ブレイキン) 」の頭文字からという説。Breakin'を踊るダンサーのことを「B-Boy / B-Girl」と呼ぶことから、そのダンサーたちがよくしているファッションだからという説。更には、「Black (黒人) 」や、「Bad (不良) 」など諸説あるが、本国アメリカのHip Hopファッションが主に黒人によって築かれた事から、ここでは「Black」の『B』なのではないかと主張する。
B-Boy / B-Girl
本来はBreakin'を踊る者のことをB-Boy / B-Girlと呼び、B系ファッションに身を包む人や単にヒップホップ文化が好きな人のことをB-Boy/B-Girlとは呼ばない。しかし、B系ファッションが日本で広まる中で「B系ファッションの人=B-Boy / B-Girl」という誤った認識が広まり定着してしまった。なお、Breakin'のことを日本ではBreak danceと呼ぶこともある。
BreakBeatsに合わせて踊る者、またはラップの合間 (Break) に踊る者を「ブレイク・ボーイ (break boy) 」と呼び、それが略されてB-Boyと呼ばれるようになった。その為、この『B』には「Black」「Bad」といった意味は含まれていない。
影響を与えたもの
1998年に石田衣良の池袋ウエストゲートパーク、通称IWGPが発売され、2000年に宮藤官九郎の脚本によりそれがテレビ放映。俗に言うカラーギャングが有名になった。